ルワンダでにほんご

青年海外協力隊の服飾隊員でルワンダの職業訓練校に派遣中、配属先から日本語コースをしてほしいと依頼が……日本語を教えたこともない私が奮闘した3か月の記録

09 ルワンダ日本語チャンネル

こんにちは。久しぶりの更新です。しばらくアップできていませんでしたが、授業は実施していました。

 

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今回の授業は、今まで撮影した動画↓をみんなで見て復習することにしました!ちなみにこれらの動画はyoutube「ルワンダ日本語チャンネル」で公開しています!


 

最初は、問題を出さずにただ見せて、二回目を見せる前に

Q1. 趣味がダンスと言った人は何人(なんにん)?

Q2.空手が趣味なの人は誰?

というクイズを出してもう一度見せたら、学生は更に真剣に見始めました。

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 「答えがわかった人?」と聞くとみんな手を挙げて積極的です!

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ちょっと難しかったかなと思ったのは、趣味は「踊ること」「ダンス」は同じ意味なので、教える時に簡単な「ダンス」に統一したほうがわかりやすかったかなと思いました。こうして自分たちが勉強したことを撮影した動画は、こうして自分たちの勉強にも役立ち、教科書のない地域では、貴重な教材にもなるのかな、と感じました。

 

このような学生の動画制作・発信は、実は同じアフリカ大陸のスーダンの日本語教育で実施されていたのが始まりで、友人がその制作に関わっていたので、私も色々聞きながら今も挑戦しています。

実は、そのスーダンの動画サイト「スーダン日本語チャンネル」が、ある学会誌で取り上げられるため、アンケート依頼があったので学生や先生にアンケートを実施しました。アンケート内容は、スーダンで日本語を勉強している学生たちの活動動画(3つ)を見て感想を書く、というものでした。 

 

1.「ナイル川の前でソーラン節」

・すごく良い、一緒に踊りたくなる感じ。
・衣装も素敵

 

2.「Singin♪ Sudan ~世界に一つだけの花~」

・日本人とスーダン人が一緒に歌っていることがスゴイ!

・歌とスーダン人が着ている衣裳が素敵。

 

 

3.「スーダンの文化を紹介した動画」

・内容が理解出来ないので、よくわからなかった。
・バックを盗って逃げる場面で、笑いが起きた。


動画は日本語だったので、それぞれの動画の内容を生徒に説明した上で感想を書いてもらいました。

 

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最後の「スーダンの文化紹介」のビデオは難しかったのか、感想なしか、ビデオの内容の説明を書いている生徒が多数いました。

校長曰く、”初めて見るものに対して、感じたことを書いてと言っても、環境や物事が違いすぎて何も思わないと思う。生徒約40人のうち、首都のキガリに行ったことがあるのは3人しかいない。ほとんどの生徒は村の中のコミュニティでしか生活していないから、新しい物事に触れる機会がないから感想と言っても難しいと思うよ”と言われました。

個人的な感想としては、学生自らソーラン節を覚え、日本語の歌を選曲し、動画の内容構成を行っていることにただ単純にびっくりでスゴイなと思いました。このビデオは、日本語学習者の中でも上級者向けな動画だとも感じました。

スーダンの学生レベルまで日本語ができるようになるのは難しいとは思いますが、同じアフリカ大陸で日本語をがんばっている人たちに刺激を受け、日本語や日本文化を通じて日本に興味を持って、ルワンダと日本が繋がって行けたらいいなと思います。

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ちなみに、ルワンダのS2、S3(中学2、3年)の歴史の授業で日本の歴史、原爆について勉強するので、”ナガサキ、ヒロシマ”という単語は知っているようです。

また、以前生徒に日本のイメージを聞いてみたところ、東京の空には”TOKYO”という文字が書いてあると言われました。他校の学生も同じことを言っていたのを聞いたことがあります。ルワンダ人にはそう思われているみたいです(笑)

スゴイ国ですね、日本!

 

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08 日本人ゲスト来訪!

今日は配属先に初めて日本人が来てくれました!彼は私と同じく青年海外協力隊(コミュニティ開発)の隊員で、郡庁に配属されている同期の藤原隊員(通称ワラ)です。彼は活動のひとつとして職業訓練校で「起業家になるための授業」を行っています。特別授業として、ワラ先生の起業の授業と日本語の授業を行いました。

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驚いたのは配属先の対応でした。ゲストに日本人が来るということで、普段教室には電気も通っていないのに、マイクとスピーカーを設置するために、ちょっと離れたところから電線を引っ張って準備するというルワンダ人の気合の入れ様。 

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電線を引っ張ってきて、、、

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 スピーカーとマイクを設置!

ということで、これはとても嬉しいことですが、準備のために8時からの授業予定が1時間半以上押して9時半過ぎのスタートとなりました(笑

そして今回は日本人二人ですることになった「日本語」と「起業家になるための授業」には、校内の先生、生徒が全員参加することになりました!

 

午前中にワラと私で日本語レッスン。今日のテーマは「好きと嫌い」
その前に、折角私以外に日本人が来ているので、前回まとめた日本語で「自己紹介」をしました。

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 趣味が空手と言った生徒は、「型」を披露してくれました。

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そしてテーマの「好きと嫌い」…

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Step 1 好きなものを聞いてテーマを決める(現地語)
ルワンダ語で生徒数人に何が好きなのか聞いたところ、食べ物を答えた生徒が多かったので「食べ物」をテーマにしました。

Step 2 好きな食べ物は何ですか?(現地語)
こんな答えが返ってきました。

「お米、肉、バナナ、ドーナツ、ポテト、さつまいも、アボカド、キャッサバ、ヨーグルト」など

Step 3 生徒同士で会話の練習

「使う文」
Q:好きな食べ物は何ですか?
A:好きな食べ物は○○です。

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Step 4 嫌いなものについて(現地語)

生徒に嫌いなものを聞いてみると、食べ物ではなく動物が多かったです。

「ヤギ、牛、豚、猫、犬、ニワトリ」など

Step 5  生徒同士で会話の練習

「使う文」
Q:嫌いな動物は何ですか?
A:嫌いな動物は○○です。

やってみてハッとしたのが、「嫌いな動物」を聞くシーンなんてないなと思い、後で反省しました…


Step 6 
 簡単なまとめ
「好きな/嫌いな食べ物は○○です」


Step 7 
 ○○が好き、○○が嫌いの導入(別の言い方をさらっと紹介)
「私は○○が好き/嫌いです」


Step 8 動画撮影

まとめとして好きなモノと嫌いなモノを言ってもらいました。今回は生徒が30人くらいいたので、動画撮影は挙手制にしました。今回の「好き、嫌い」のトピックで話していると、好きな「人」について話題になり、好きな人は誰ですか?も教えたところ、大盛り上がりでした! 恋愛ネタは万国共通ですね!

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最近は1回目の授業で教えた「○○は日本語で何ですか?」と積極的に質問してくる生徒も増えてきたように思います。例えば・・・・靴、人、妻、夫、蚊、お父さん、お母さん、お兄さん、息子、校長先生、外国人、勉強 など。

また、先生は何が好きなの/嫌いなの?と質問してくれる生徒もいます。生徒と一緒に授業を作っている感じがして、日本語を教える楽しさを感じました。


今日のルワンダ語は、食べ物に関係して「ドーナツ」です!

www.youtube.com

 

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生徒たちにとって私以外の日本人と話すことは、刺激にもなるし、習った日本語を使う練習にもなるので、同期が来てくれたことは良い機会になりました。先生達も同期が来ることを楽しみにしてくれていたし、授業にも積極的に参加して楽しんでくれていたのかなと思います。日本語の授業を受けた後も、「私は○○が好きです」と言って使ったり、もっと日本語勉強したいとも言ってくれました。

そして、遠方より足を運び、特別授業に協力してくれた同期やゲストを受け入れてくれた校長、先生方に感謝しています。

僻地なのでなかなか来ることが難しいですが、校長先生はいつでもウェルカム!と言ってくれるので、是非沢山の日本人に遊びに来てもらいたいですね。

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07 復習

お久しぶりです。

1学期の期末テストが終わってから、4/2~4/17までは1学期のお休みでした。

その間、ルワンダでは4/7~13日は「ジェノサイド メモリアル ウィーク」という期間で、ジェノサイドで亡くなられた方の追悼と、ジェノサイドを二度と繰り返さないよう、これからも平和なルワンダを作っていくことを祈願した1週間でした。

 

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さて、そんな休みも終わり4/18からはいよいよ2学期が始まりました。

 

2学期最初の授業は、挨拶から、出身、趣味、誕生日といった今までの復習をしました。そして最後に「よろしくお願いします」を教えたので、一応簡単な自己紹介はできるようになりました。

Step 1 復習+α

「おはようございます。初めまして。」(第1回 挨拶)

「私は○○です。」(第2回 名前 )

「出身は○○です。」(第3回 出身) 

「趣味は○○です。」(第4回 趣味)  

「誕生日は○月です。」(第5回  誕生日)

「よろしくお願いします」(+α

 
Step 2 練習タイム

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久しぶりだったせいもあり、名前と趣味だけは覚えている生徒はいましたが、さすがに全部言える生徒はいませんでした・・・・でも、授業をやりだしたら少しづつ思い出してきたのか、スラスラ言える生徒もいました。

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また、この2学期から生徒が増えました!今週からきた新入生の何人かには、今日の復習の授業で習った日本語で早速自己紹介してもらいました。

Step 3 動画撮影

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新入生にも協力してもらいました。私が動画を撮影している間は、周りの生徒が教えてあげるので助かっています。

さて、次回は青年海外協力隊の同期に学校に来てもらいます!ですから、生徒たちにとっては私以外の初めての実践の場です!そのことを生徒に伝えると、ノートに一生懸命書いて、声に出して練習し始める生徒もいました。いつもの慣れている日本人以外に話すことは、モチベーションも上がるし、いい刺激になりますね。

最後に「今日のルワンダ語」を紹介します。今回は近所の商店に行って撮影しました。さて、何をルワンダ語を紹介してくれるでしょうか。これも続けていきたいと思います。

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新学期が始まってから毎日のように新入生が来ます。新学期から2週間は、生徒の受け入れができるみたいです。また、何人かの生徒は授業料の支払いが出来なくなり通えなくなりました。

生徒が増えると教えることに時間が掛かりますが、より多くの生徒の考え方や意見が確認できたり、お互いに切磋琢磨できるというメリットもあると思いました。なにより、一人でも多くのルワンダ人に日本語を知ってもらえることは、教える私にとって嬉しいことです。ルワンダと日本がこれからも友好関係を築けていけるツールの一つとして”日本語”が広まっていけたらいいなと思います。

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